未成年者は役員に就任できますか?
できます。
なお、比較として、未成年者が会社設立の手続きができるかどうかは「未成年者でも会社設立できますか?」をご覧ください。
会社法の規定では、未成年者は取締役の欠格事由に挙げられていません。(会社法331条)
しかし、無制限に未成年者が役員になることが出来るわけではありません。
そして、未成年者が「取締役」に就任できるのか、「代表取締役」に就任できるのか、それぞれ見解が異なります。
未成年者が取締役に就任することの可否
未成年者であっても、意思能力が認められる程度の年齢であれば、法定代理人の同意を得て取締役に就任することが可能とされています。
また、未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない(民法5条)とされているため、未成年者が取締役に就任した場合、取締役として法律行為をする度に法定代理人の同意を得る必要があるのかどうかという問題が生じます。
この点に関しては、「取締役に就任することの法定代理人の同意をもって、民法6条の未成年者に対する営業許可とみて、以後、取締役としての個別の行為に法定代理人の同意を要しない。」と解されています。
つまり、「取締役に就任することに同意したんだから、取締役として活動することにも同意するのは聞くまでもないよね。」ということです。
なお、意思能力を認め難い年齢の未成年者については、取締役が個人の能力に着目して会社から選任され、継続して業務執行を行う地位にいることに照らすと、取締役に就任することはできないと解されています。
未成年者が代表取締役に就任することの可否
意思能力のある未成年者が、法定代理人の同意を得て取締役及び代表取締役に就任することは、理論的には差支えないが、対外的な代表権を有する代表取締役については、一般的に、14歳の者がなることは困難であると考えられています。
法的に禁止されているわけではありませんが、代表取締役になるには最低でも15歳以上の者、と解されています。
但し、現実的な問題として、15歳を含めた未成年者が代表取締役に就任することのニーズは少なく、業務執行や代表権の行使において意思能力の有無が問題になるような状況を作ることは避けた方が無難だとは思います。
なお、15歳未満の未成年者が(代表)取締役に就任する方法としては「小学生が代表取締役になることは可能か」(司法書士内藤卓のLEAGALBLOG)が参考になるかと思います。