数次相続とはなんですか?
数次相続とは、被相続人の遺産相続が完了しない間(法定相続による承継手続き前、又は遺産分割協議前)に、相続人が死亡して次の相続が生じた状態のことをいいます。
例えば、父が亡くなり、その父の相続について何もしない間に母が亡くなった場合、これを数次相続が生じている状態と言います。
簡単に言えば、相続が複数回生じている状態ですね。
これは、今社会問題にもなっている空き家問題にも関連しているものです、
相続が生じたにもかかわらず、相続手続きを放置していたために相続人が亡くなり、さらにその相続手続きを放置している間に次の相続人も亡くなりと、数次相続が次々と生じ相続人がねずみ算式に増えていきます。
そうなると、相続人特定のために集める戸籍関連の書類や、連絡を取らなくてはいけない相続人が多くなるので、かなりの手間と時間と費用がかかることになります。
また、相続人が増えてしまうと、一度も会ったことがない相続人や、住所や連絡先を知らない相続人が増えてしまい、その調査からしないといけないという事態が生じることも多々あります。
なお、数次相続と似た相続に「代襲相続」というものがあります。
この2つの違いを簡単にまとめると次のようになります。
数次相続とは、相続手続きを怠っている間に次の相続が生じること
代襲相続とは、被相続人が亡くなるよりも前に相続人が亡くなっている場合、又は相続人が相続欠格事由や廃除によって相続権を失った場合に、その相続人の子が代わりに相続人になること