失踪宣告とはどのような制度ですか?
失踪宣告とは、生死が不明の者を法律上死亡したものとみなす制度です。
戸籍等の必要書類を揃えて、家族などが家庭裁判所に申立てをすることになります。
失踪宣告の制度趣旨
不在者(住所・居所からいなくなって容易に戻る見込みのない者)の生死不明の状態が続くと、不在者の財産等に関し利害関係を有する者の地位が不確定の状態になり、法的安定性を欠くことになるため、当該利害関係人のために不在者を死亡したものとして法律関係を確定させることが目的です。
失踪宣告の要件と効果
普通失踪
① 7年間生死が不明であること
② 利害関係人(家族等)が家庭裁判所に申立てをすること
③ 裁判所による親族等への調査・官報公告(3ヶ月以上)
④ 失踪宣告の審判
【効果】
生死不明になってから7年間経過した時に死亡したものとみなされる。
特別失踪(危難失踪)
① 戦争や震災、船舶の沈没などの危難(原因)に遭遇した者の生死が、当該危難が去った後1年間不明であること
② 利害関係人(家族等)が家庭裁判所に申立てをすること
③ 裁判所による親族等への調査・官報公告(1ヶ月以上)
④ 失踪宣告の審判
【効果】
危難の去った(静まった)時に死亡したものとみなされる
申立先
不在者の従来の住所地又は居所地の家庭裁判所
申立て費用
・収入印紙800円
・郵便切手数千円分(申立先の家庭裁判所によって異なります。)
・官報公告料約4300円
申立て必要書類
・申立書
・不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)
・不在者の戸籍附票
・失踪を証する資料
・申立人の利害関係を証する資料(親族関係であれば戸籍謄本(全部事項証明書))
失踪宣告後の手続き
家庭裁判所の調査官により書類等の調査(1~2ヵ月)が行われます。
調査が終わったら、官報公告(普通失踪の場合は3ヵ月、特別失踪の場合は1ヵ月)を行い、不在者が現れないか・不在者の情報が入らないかを確認します(裁判所から官報公告手数料を納めるように連絡が入ります。)。
上記期間内に届出がなかったら、最終的に失踪宣告の審判がなされます。
そして、審判が確定してから10日以内に,市区町村役場に失踪の届出(不在者の本籍地又は申立人の住所地の役場)をしなければなりません。
届出には,審判書謄本と確定証明書(別途交付請求)が必要になります。