遺言で遺言執行者を定める場合に注意すべきことは?
第三者に遺言執行の委任ができる旨の定めを書いておくといいと思います。
遺言執行者は、やむを得ない事由がない限り、第三者に遺言執行の任務を行わせることができないとされています。
しかし、遺言書に第三者に遺言執行の委任ができる旨の定めがあれば、やむを得ない事由がなくても委任することが可能になります。
例えば、相続人の1人が遺言執行者に定められている遺言に基づいて、当該相続人から故人の預貯金(銀行口座)の解約・払戻し手続きのご依頼を頂いた場合、遺言書の中に「第三者に遺言執行の委任ができる」旨の定めがされてなければ、金融機関によっては解約・払戻し手続きの必要書類には遺言執行者である相続人が押印しないと手続きを進めない、という場合もあります。
円滑に相続手続きを進めるためにも、第三者に遺言執行の委任ができる旨の条項を設けておくのが無難かと思います。
【2019.7.1追記】
改正相続法では、遺言者が遺言で別段の意思を表示した場合を除き、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができるとされましたので、第三者への委任条項は特段設ける必要はなくなりました。(民法1016条参照)