遺書と遺言書の違いは何ですか?
「遺書」と「遺言書」は明確な違いがあります。
一般的には、違いを把握しないまま2つの言葉をごちゃ混ぜで使っている方もいるかと思います。
この2つはどのような違いがあるのかと言いますと、法的な効力があるかどうかで違いがあります。
遺書とは「想い」を書き記すメッセージ
遺書には法的効力はありません。
遺書は、自分の死後、家族に読んでもらうために、自分の「想い」を書いた手紙です。
家族への感謝の言葉や葬儀の方法等、なにを書いても問題ありません。
手紙ですから法的効力がどうのこうのという議論にはなりません。
遺言書は民法上の法律行為
遺言書は、民法に定められた方式に従って作成するものなので、遺書とは異なり法的効力を有する法律文書です。
遺言書は、法律に定められた方法で作成しなければ無効なので、その場合には結果的には遺書と同じ手紙としての文書に留まることになります。
また、遺言書に書いたものは何でもかんでも法的効力を有するわけではないので、法的に問題のない遺言書を作成するために、司法書士などの専門家に相談することをおススメします。
(「遺言書は何を書いても法的効力を有しますか?」をご覧ください。)
なお、遺言書でも遺書と同じように自分の「想い」を書くことはできるので(これを「付言事項」と言います。)、遺言書は遺書も兼ねることも可能です。