一般社団法人と株式会社はどちらが受託者に適していますか?

 



関連記事:受託者を法人にするメリットは何ですか?も併せてご覧ください。 


 

家族信託では、状況に応じて受託者を個人(自然人)ではなく、法人にすることもあるかと思います。
そこで、受託者を法人とする場合に、一般社団法人と株式会社のどちらにするのか迷うことはありませんか?

結論から言いますと、個人的には現状、一般社団法人が家族信託に適していると考えています。


信託業法との関係で、営利法人である株式会社を受託者にすることは一定の抵抗があります。

信託業法では、不特定多数を相手に反復継続して信託の引き受けをし報酬を得る場合には信託業法の許可を得る必要があり、免許を受けた法人でないと当該信託を行うことができないとされています。

株式会社が信託を引き受ける場合には、当該信託業法に抵触する可能性がありそうですが、株式会社を所有する者が、自分の家族の財産管理のために当該会社で信託を引き受けるのは、不特定多数を相手に営利を目的として行っているわけではありません。(営利法人である株式会社が信託業務を無報酬で行うのはどうなのか、という問題はぬぐい切れませんが。) 

つきましては、株式会社を受託者にすることが一概に信託業法に抵触するとは言えないと考えています。
但し、念のために、信託を引き受ける株式会社の事業目的に「信託業法に抵触しない民事信託の引受け業務」等の文言を入れておくことも検討してもいいかもしれません。

 

一方、一般社団法人は営利・非営利を問わない法人として信託業務を行うことができます。
信託事務を無報酬で行うとしても違和感はありませんので、株式会社よりは一般社団法人の方が受託者に適しているのではないでしょうか。 

なお、法人を受託者にする場合には、法人としての意思決定を円滑にする仕組みを作ることも必要です。

 

  1. 信託財産責任負担債務とは?
  2. 信託契約書は公正証書で作成しなければいけませんか?
  3. 受託者として信託事務を遂行する自信がないのですが?
  4. 受益者連続型信託の期間は無制限にできますか?
  5. 信託管理人ってなんですか?
  6. 信託監督人ってなんですか?
  7. 受益者代理人ってなんですか?
  8. 単独受益者権とはどのような権利ですか?
  9. 受益権と受益債権の違いは何ですか?
  10. 残余財産受益者と帰属権利者の違いは何ですか?
  11. 受益者として指定された者の承諾は必要?
  12. 受託者に司法書士等の専門職が就任することは可能ですか?
  13. 預貯金を信託財産として信託できますか?
  14. 信託事務処理代行者とは何ですか?
  15. 家族信託を利用した場合、遺留分対策はしなくてもいいですか?
  16. 家族信託における倒産隔離機能とは?
  17. 委託者の年金を信託財産として設定できますか?
  18. 詐害信託とはどのような信託ですか?
  19. 家族信託と遺言はどっちが優先する?
  20. 信託財産に現金を入れる必要はある?
  21. 受託者には報酬を支払う必要がありますか?
  22. 家族信託にかかる税金(課税関係)について
  23. 信託契約と遺言信託はどのように使い分ければいいですか?
  24. 未成年者は受託者に就任できる?
  25. 家族信託をした場合、税務署への届出は必要ですか?
  26. 遺言信託の受託者は自分が受託者であることをどうやって知りますか?
  27. 将来取得する予定の財産を信託財産にすることはできますか?
  28. 指図権者とは何ですか?
  29. 家族信託はいつどんな時に終了しますか?
  30. 信託事務を行う受託者が暴走した場合どうすればいいですか?
  31. 信託銀行の遺言信託と家族信託における遺言信託の違い
  32. 受託者は信託監督人や受益者代理人になれますか?
  33. 受益者複数の場合の贈与税について教えてください。
  34. 民事信託(家族信託)と商事信託はどっちを利用すればいいですか?
  35. 委託者が破産する前に、家族信託の倒産隔離機能を利用すれば財産は守れますか?
  36. 目的信託とはどのような信託ですか?
  37. 信託財産は遺産分割協議や遺言書の対象財産となりますか?
  38. 認知症になってからでも家族信託は利用できますか?
  39. 信託開始後、受益者を変更することはできますか?
  40. 未成年者や認知症で判断能力のない者でも受益者になれますか?
  41. 受益者にとって不利な信託の変更が行われた場合、受益者として対抗する方法はありますか?
  42. 受託者が死亡した場合、信託はどうなりますか?
  43. 委託者が死亡した場合、委託者の地位は相続されますか?
  44. 受託者が借り入れをした債務は債務控除できますか?
  45. 受託者が判断能力の低下(認知症等)や病気になった場合、信託はどうなりますか?
  46. 家族信託(民事信託)は全ての財産を信託しなければいけないですか?
  47. 受託者を法人にするメリットは何ですか?
  48. 一般社団法人と株式会社はどちらが受託者に適していますか?
  49. 資産家やお金持ちじゃないと家族信託は利用できないですか?
  50. 遺言代用信託とは?
  51. 家族信託(民事信託)を利用すれば後見制度を利用する必要はないですか?
  52. 受託者は委託者の代わりに遺産分割協議に参加できますか?
  53. 家族信託では受託者に贈与税や不動産取得税はかかりますか?
  54. 受託者が死亡した場合なにをすればいいですか?
  55. 受託者を2人選任することはできますか?
  56. 家族信託の受託者が死亡した場合、受託者の地位は相続されますか?
  57. 家族信託における受益者代理人はどのような場合に定めておくといいですか?

相談予約受付中

完全予約制

お電話でのご予約受付:042-816-3207(平日9:30~19:00)

メールでのご予約・お問合せ(24時間受付中)

土日祝日相談、早朝・夜間相談、当日相談、出張相談

司法書士法人まちたま 多摩センター事務所
民事信託・家族信託のまちたま相談所
円満相続トータルサポート

お気軽にご相談ください

会社のこと、不動産のこと、相続・遺言のこと、家族信託のこと、その他お悩みのこと。

完全予約制

お電話でのご予約受付:042-816-3207(平日9:30~20:00)

メールでのご予約・お問合せ(24時間受付中)

土日祝日相談、早朝・夜間相談、当日相談、出張相談