受託者は委託者の代わりに遺産分割協議に参加できますか?
できません。
家族信託(民事信託)における受託者は、委託者の法定代理人ではありません。
例えば、「委託者兼受益者:父」「受託者:息子」という信託が設定されている時に、祖父(父の父)が死亡したとしましょう。
この祖父の相続において、委託者である父が認知症を発症していて遺産分割協議に参加できない場合、受託者である息子は父の代わりに受託者として遺産分割協議を行えるかというと、できません。
この場合には、後見制度を利用して父に後見人を付け、その後見人が父の代わりに遺産分割協議を行うことになります。
家族信託(民事信託)だけではなく、後見制度を併用して相続に対応していく必要があるということですね。