資本金はいつ振り込めばいいですか?(会社設立)
会社設立を行う場合、発起人は資本金を振り込む(または預け入れ)必要があります。
振込先としては、基本的には発起人の銀行口座に振り込むことになります。
(法人口座は会社設立後に開設するので設立段階には存在しません。)
この資本金の出資払い込みはどのタイミングですればいいのかというご質問は非常に多いです。
今までの登記実務の取扱いとして、当該出資の履行時期は、定款の作成後(または当該発起人全員の同意後)であれば差し支えないとされていました。
これは定款認証日前でも問題ありません。
なので、定款作成をする司法書士と調整して出資金を振り込んで頂くというのが通常だったかと思います。
しかし、この取扱いが変更され、定款の作成前の出資の履行でもそれが会社設立の資本金としての振込みをしたのであれば問題ないという取扱いとなりました。
(設立よりも約1か月ほど前であれば認められるようですが、定かではありません。)
つきましては、会社設立時の資本金の振込みのタイミングについては、そこまで神経質にならなくてもよくなったと言えます。
なお、余談ですが、一部の司法書士からはこの取扱い緩和について否定的な意見も出てはいます。
令和4年6月13 日付法務省民商第286号
「預金通帳の写し又は取引明細表その他払込取扱機関が作成した書面に記載された払込みの時期については、設立時発行株式に関する事項が定められている定款(商業登記法第47条第2項第1号)の作成日又は発起人全員の同意があったことを証する書面(同条第3項)に記載されているその同意があった日後に払込みがあった場合はもとより、その前に払込みがあった場合であっても、 発起人又は設立時取締役(発起人からの受領権限の委任がある場合に限る(平成29年3月17日付け法務省民商第41号民事局長通達参照)。)の 口座に払い込まれているなど当該設立に際して出資されたものと認められるものであれば、差し支えない。」